療育・学習の工夫

2016年01月17日

ディスレクシアの基礎知識を蓄積して子育てをしよう

親は困っている子どもを助けたいし、学校の成績も気になります。

ひと昔前、マニュアル世代とかマニュアル子育てなんて言葉が流行りましたが、親はつい即効性のある『解決策』や『どうすれば良いかの答え』を求めがちです。

でも、対処療法的に『〇〇学習法』や『〇〇療法』飛びついても、それだけでは社会へ巣立つまで子どもを育てきることは難しいと思います。

もちろんその子に合った方法でなければ、どんなに良い療育の方法であっても、効果はのぞめません。


さて、何かを作ろうと思ったら、材料を用意しなければなりません。
材料がなければ物を作りだすことはできません。

同様に、『思考』するには材料となる『知識』が必要です。

子どもがディスレクシアとわかったら、まず、片っ端から本を読むことをお勧めします。
専門書とまではいかなくても、ある程度体系的に書かれている本を数冊。

そして、お子さんの読みの困難さの原因が、いくつかあるメカニズムのどんなタイプであるのかあたりをつけて、親がある程度『この方法はうちの子に合いそう』とか、『これはやっても徒労に終わるかも…』と判断できるようになることができれば、いたずらに焦って子どもを追いつめる事が防げるかもしれません。

なにより、どうしたら良いかわからないという不安を、多少とも解消することができるので、親自身の為にもなります。

ドリルや塾や学習支援の教室を探す前に、一通りの知識を身につけておければ、お子さんに合った教材や場所を探しやすくなるでしょう。


という理由で、私が読んだことのある本の中から、お勧めできそうな本をご紹介しています。
参考にしていただければ幸いです。



dyslexia_allstars at 11:30コメント(0)

2015年12月25日

百人一首大会に向けて

娘の実樹が通う公立中学校は、毎年冬場のこの時期、校内で開催される百人一首大会に向けて百人一首の暗記が始まります。

はるか昔、『万葉集』や『古今集』『新古今集』あたりの定番詩歌集にはまったことのある母・哲美は、かろうじて娘の相手ができますので、彼女が上の句を言って、私が下の句を答えたり、その逆だったり、いわゆる問題の出しっこをしています。


中学校では、百人一首の一首一首の意味や解釈を詳しく学んだりはしません。

どちらかというと競技カルタに近く、一首ずつを味わうこともせず、読み札『あ』が出たら『三笠の山に~』とか『暁ばかり~』とか『吉野の里に~』とか…上の句の数音と下の句の数音を覚えて早く札をとる、というテクニックを表にして教えるばかりなので、私としては、
『とりあえず丸暗記して、あとからじっくりから意味を知る…にもならない学び方が、百人一首との出会いなんて最悪。こんなんだったら教えない方がまし。』
と思っているのですが、それはさておき彼女の練習に付き合っています。

和歌の意味や背景を学んだり、日本語として口誦してリズムを味わうことは、札をとる枚数を競う大会では難しいのですが、そこは『うんちく野郎』の母・実樹の本領発揮。
一首ずつ解説を加えては娘に嫌がられています…


さて、「百人一首は好き」という実樹ですが、せっかく歌を覚えても札が読めない…というのがディスレクシアの彼女の悩み。


百人一首という雅な和歌が書かれた札を取る遊びですから(競技カルタは雅というより、もはやスポーツみたいですけど)、どんなに安価なカルタであっても無粋なゴシック体で印刷してある札はありません。
(実樹はゴシック体は読めるけど、明朝体など線の太さが同じでないフォントの文字はあまり読めません。)

カルタに印字されているのは多少とも趣があるっぽい明朝体、あるいは少し価格が上がってくると毛筆体などが使われています。

しかも!取り札は、これまた実樹の苦手な表音文字である『ひらがな』…
(実樹は、表意文字である漢字の方が多少得意。ひらがな・カタカナよりもまだ読めます。)

そのうえ!相手陣の札は逆さ!

ということで、彼女曰く
「文字がピヨピヨ浮いてくるから読めない~」
のだそうです。

百人一首大会は、というか、百人一首の取り札は、実樹にとって
・ゴシック体でない
・ひらがな
・逆さも有り
の三重苦。

それでも彼女は、「今年は〇〇枚取るぞ~」、と意欲的に取り組んでいます。

好きこそものの上手なれ!
がんばれ~、と今年も母は娘を応援しています。



*表音文字…ひらがなの1音1文字のように、1文字に意味はなく、音をあらわす文字
*表意文字…1つの文字に意味がある文字


dyslexia_allstars at 09:30コメント(0)

2015年12月16日

自分の趣味を実益(療育)にしてしまおう!

みなさんは一年間で何冊くらいの本を読んでいますか?

私のここ数年の一年間に読んだ本の数の平均は50冊強、くらいかな。
絵本と園芸関係の本をカウントするとすごく冊数が増えてしまうので、カウントしていません。

読書が趣味の私は、読みたい本のリストを作っているのですが、リストには読みたい本のタイトルがたまっていくばかり…
とても死ぬまでには読み切れないと思い、何年か前からはジャンルを絞って読むことにしました。


小説類は、ずっと続けて読んでいるシリーズもの(例えば『魔法の国ザンス』シリーズ、『ディック・フランシス』など)以外はリストから外しました。

残したジャンルは
*発達障がい関係
*考古学・古代史関係
が主で、
*児童書・絵本
*文字・言語関係(ごく簡単なもの)
を少々。

考古学・古代史は時代区分してリストアップしてあり、際限がないので大体701年大宝律令以降はなるべく除外しています。
対象地域は日本。日本に関連していれば東アジアまで。

ここまで狭めていても、読みたい本のリストは常に100冊超えちゃうんですよね~ 


どちらかというと考古ガール(ガールでなくなってから何十年もたっていますが…)なのですが、娘の実樹がディスレクシアということで、日本で文字が使われ始め、定着していった過程に興味が湧き、出土文字資料(木簡・墨書土器・金石文・漆紙文書など)関連の本を読むことが増えてきました。
それに伴って、古墳時代や文書行政の始まった律令体制のあたり(飛鳥時代)が中心になってきています。

出発点がはるか昔の小学生の時に大好きになった『黒曜石の矢じり』と『万葉集』なので、特に好きな時代は旧石器時代・縄文時代・飛鳥時代です。


が、しかし…
近所に小さな古墳が数基あり、よちよち歩きの頃の息子・草太の散歩コースに古墳巡りを取り入れていたり、同時処理優位で継次処理能力が少し弱い実樹の社会科の勉強のために、視覚から捉えやすいだろうと復元古墳を中心に奈良や群馬の古墳を巡り歩く旅行をしたりしたこともあり、最近は古墳時代も結構詳しくなってきました。

実樹と二人で前方後円墳・前方後方墳・多角形墳・上円下方墳・円墳・方墳・四隅突出型墳などなどをジェルろうそくの飾りに作ったり、墳形をデザイン化してイラストを描いたり…とマニアックな方向に進みつつあるかも…


とにかく、古墳巡りの旅は、まさに趣味と実益(私の趣味と実樹の社会科への興味を引き出すこと)がピッタリ合わさって効果抜群でした。

空間認知に優れている実樹には、インパクトのあるでっかい古墳は格好の教材だろうとふんで連れ歩いたら大正解。
外形だけでなく、色々な石室の空間利用法や石の積み方なども彼女の興味を引いたようです。

また、美術が好きなので、様々な形象埴輪を見て回ったことも良かったみたいです。
実樹は、埴輪にかすかに残った色を目ざとく見つけたり、実物とそれを復元した埴輪の刷毛目の方向の違いを指摘したり(実物は博物館内に、復元埴輪は屋外展示で、並んでいたものを見比べたのではないにもかかわらず見つけました!)、私では絶対気づかなかったことを教えてくれたりしたので、私も勉強になりました。

おかげで実樹は社会科が好きだというようになりました。


自分の趣味の中にも、療育に使える事がいっぱいあります。
ただでさえ発達障がい児の子育ては大変なのですから、なるべく楽しい方向でやっていきたいですよね。
無理強いでなく、自分の趣味に子どもを巻き込めたらラッキーです。
自分自身が楽しみながら、子どもの得意を伸ばし、弱みを補えるように趣味を利用できないかなー、とちょっと考えてみて工夫してみることをお勧めします。

読書の話をしようと思ったら古墳の話になっちゃいました(笑)
まあ、徒然なるまま…お許しください。

ディスレクシアで読みが苦手だからといって、読書が嫌いだとは限りません。
読書好きの家には、当然ながら本があふれています。
絵本・児童書・小説・詩歌・歴史・哲学書…と、ジャンルも豊富。
自然と本を手に取る機会も増えます。

特に映画化されて話題になったりしたものの原作なんかはパラパラめくってみたくなるらしく、『ホビット』が映画化されて一緒に見た後には、実樹は私に黙ってこっそり私の本棚から『ホビットの冒険』を取り出して少しずつ少しずつ読んでいました。

小学生のころ国語で詩の勉強をした後は、詩という形態が読みやすかったらしく、工藤直子の『てつがくのライオン』なんかも自分から読んでいました。


わざわざ買ってきたり借りてきたりしてまではしないけど、そこにあってめくってみたら読んでもいいかな~と思えるかもしれない…ので、私の趣味の読書もやっぱり療育の助けになっていると言えるのではないでしょうか?

ということで、お母さんの趣味は、お母さん自身の『楽しむ』という大切な精神活動のためにも、療育にも有効です。
どんどん、趣味の時間を持ちましょう!





dyslexia_allstars at 00:30コメント(0)
諸星家の紹介

☆諸星 実樹
(もろぼし みき) 中3
 :スーパーウルトラがんばり娘・長女

☆諸星 哲実 
(もろぼし さとみ) 半世紀以上棲息
 :理屈っぽくて頭でっかち母

☆諸星 草太 
(もろぼし そうた) 大1
 :優しくて聡明だけど向上心皆無なご長男

☆諸星 常春 
(もろぼし つねはる) 半世紀以上棲息
 :ひとり常春(トコハル)の国に在住

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